暑い夏は大好きだ。焼けるような太陽に冷たい市民プールのシャワーと大きな50プール。

但しそれは、たまに起きる場合に限る。毎日アスファルトも溶ける(最近は見ない)、ドライヤーの中にいるような熱い風を浴びて仕事に向かう、これが一ヶ月も続くと言われると人類滅亡も近いなどとかなり飛躍したことを考えてしまう。そして人間の業などまで思いをめぐらしてしまう。

実際ニュースを見ると
「北半球を覆う熱波」
「明らかに人類の排出している炭酸ガスが原因」
というヘッドラインが踊る。丁寧にグラフで数十年の傾向をしめしてある。

なるほど、間違いないんだろう。そう思う。
きっと今、アル・ゴアが選挙に出れば大統領になれるだろう。

一方、秋口に寒くなったりしたら、身近な減税とか、年金とか、そういうトークの持ち主が人気を集めるに違いない。

人は、どうも自分の手足の届く範囲のようなことに大きく影響されてしまう。見たこと、感じたことが全てだ。おまけに物語性にとても弱い。
今回のように、「暑い」、そしてすぐに「長年言われてきた炭酸ガスによる温室効果がついに姿を明らかにした」とあれば、あなたも、すぐに信じてしまうだろう。

(ここまで読んだあなたは、「ヤマサキは何を言ってるんだ、人類による温暖化を疑ってるのか?」とちょっと反発を感じませんでしたか?)

おそらく、環境破壊は事実だろうし、温暖化はその結果だろう。

しかし、同時に人は恐ろしく感情に左右されてしまう、それを信じ込むし、バイアスがかかっている自分の心の高まりに気が付かない、ということはどこかに心得ていたほうが良いと思う。(自戒を込めて)

これによってエキスパートと言われる人たちも失敗を繰り返してきたし、ファンド市場でも、金融のプロと言われる人の運用実績が実は振るわなかったりするのだ。