I-Phoneやマックの新製品の噂が紙面を飾るようになってきた。例年9月にI-Phone新製品が発表されるからだ。今年のI-Phone は3種類になるという。マックブックも新たな廉価版が期待されている。

しかし、日本企業はアップルのパーソナリティ感を嫌う。
事実、伝統的大企業のITの部門がアップルを会社の正式パソコンとして採用しているところは見たことがない。
おまけに、ドトール(スタバでなく)でパソコンを開いているサラリーマンはパナソニックのレッツノートだ。ウィンドウズは企業で使うソフトウェア、プリンタなどの周辺機器をキッチりサポートしている(されている)からだ。

でも、OSX以降のマックは別格だと思う。最近のウィンドウズのアップデートをみるとますますそう思う。なぜなら、BSDベースのOSの安定度はすごい。動画を動かす能力がまったく違う。(これはIOSもそうだ)。

一方、ウィンドウズは凄まじいアップデートがいつも走っている。おかげで、ネットが遅い、パソコンがなんノロい、ウイルスに感染か?なんて思ったりする。そんな時は裏でバカでかいアップデートが走っていたりする。

さらに、マックのパソコンハードウェア完成度は凄まじいものがある。アルミ鋳造の筐体、高い剛性、ヒンジのかっちり感。とても台湾ベンダーに製造委託しているとは思えないものだ。ジョナサン・アイブがすべてを統括するようになってその傾向は更に強くなった。

これらを妥協せずに作り込む技術力や開発力はまさしく、ウィンドウズを超えていると思う。
自分は、かつてパソコンのPMをやっていた。だからハードウェアの作り込み、アルミやマグネシウム筐体の金型の複雑さなどにどうしても、想像を巡らせてしまう。

そして、これだけの品質とファンが期待する新機能を仕込んだ上でスケジュールを守ってくる、近年のプロジェクト管理力は大したものだ。

こういう開発には、計画の錯誤がつきものだ。過度の楽観バイアスがすべてのプロジェクトを遅らせる。どんなに勤勉なプログラム・マネージャーが管理していてもこのバイアスからは逃れられない。これを打ち破るためには、いままでの事実や例に基づいたタフなタイムラインの管理が必須だ。さらにプレモータム会議のように、プロジェクトが始まる時に生じる感情的な圧力などに対処しなくてはならない。さもなくば、プロジェクトがゴールに近づけば近づくほど、いろいろな問題が明らかになってくるのだ。そして、こいつはリカバリーがむづかしい。

9月のアップルのリリースに向けてニュースを見ていると、こんな雑感が湧いてくる。おかげで、期待感が一層高まる。アップルがでかくてのろい大企業の罠に囚われていないことを祈りつつ、9月がいよいよ楽しみになってきた。