米国の株安が止まらない。つられて日本株式市場も乱高下を繰り返している。 

リーマンショックから、ちょうど10年。市場はかつての水準に戻った。そして、多くのアナリストがバブル崩壊の新たな始まりを予測している。ある記事によると、今年の後半からその予兆は始まるだろう、そして年末から来年にそのトレンドは誰の目にも明らかになる、という。 

にもかかわらず、私は先週ドル建てインデックッス投資をしてしまった。そして、実行された途端に「米国市場大幅ダウン」のニュースに顔色を失った。 

果たして、アナリスト予想は当たるのか? 

それともこれは単なる平均への回帰の微調整なのか? 

もちろん、個人的には後者に違いないと思ってる。理由はこうだ。 

「リーマン後も多くの上下動があった。その激しさは増すばかり。いや、リーマンも長い目で見ればその一部だ。そして数十年レベルで見ると、株式市場は右肩上がりではある。だから、ここで投資して、一時的に下落しても、長期動向としてはインデックス投資はペイする」 

そう自分に言い訳をしたからだ。 

「ほんとうか?」 

自分で書いておきながら、もう一回心の中をよく探ってみた。そして見えてきたことがある。 

 

連日、株価が高いのを見た。影響を受けた。そして冷静さを失い、素人のくせにリスクのある投資信託につられて(遅まきながら)投資をしてしまった、ということのようなのだ。 

 

そして失敗に目をつむり、言い訳をしている。 

典型的な、プロスペクト理論的な行動、だとおもう。 

特より損に敏感だ。しかし、ある参照点を超えると金額と痛みの関係が変わる。博打に走っても、大きな損切をしても、ドキドキしなくなる。 

幸運なことに、自分はお金持ちでもないし、度胸もない。だから今回だってほんの少額だ。だから、リカバリーのために博打的に追加投資、あるいはいっそ損切りをしよう、とは思わない。痛みに耐えかね、ニュースから目を遠ざけ、むしろ塩漬けにしようと思う。 

ああ、プロスペクト理論は正しい。