「後悔学」というものを考えてみたい。

後悔とはなんだろう?どうして後悔なんてするのだろう? 人は職業選択、投資、あるいは異性とのコミュニケーションの失敗(恋愛相手との思いもかけない別れ)など様々な過ちを犯す。そして、あとでその決断や行いを訂正できたら、という感情を抱く。また、転職など重要な決断をする時、後悔を恐れ、どの選択肢を取るか悩む。これが一般的な「後悔」では無いだろうか?
私は、32歳の時、当時勤めていた会社の仕事が嫌で嫌でたまらなかった。毎日EXCELに向き合ってパソコンの需要を予測し、在庫を計算する毎日。もっと創造的な仕事がしたい、死ぬときにせめて何かを残したい、そう決意し、大学の建築科に学士入学しようと思った。勉強した。デッサンなども学んだ。そして思いもかけず合格。さあて、というときに父親が倒れた。父親は、大企業を中途で辞めたい、という自分の思いに親なりに悩んでいた。悩んだ。ものすごく苦悩した。そして、父親のこともあり、結局建築科への入学を辞退し、当時の会社にとどまることになった。この判断はその後の人生のいろいろな場面で、「あそこで建築家を目指していれば」という後悔につながった。(人間はやらなかったことを長期記憶に留めるという。これが「やった後悔よりやらなかった後悔のほうが辛い」になる)
自分のケースはまさしくこれである。)

こればかりでない。例えば、仕事でも、思い出すだけでも2回、上司からマネージャーへの道を試された期間があった。そして2回とも、放任管理をやってしまい、それが良しと思い、きっと上司からは「管理職は出来ないやつだ」と引導を渡された。
ああ、どうして重要なチャンスをそう、感じられず、同じ失敗を繰り返したのだろう?

あなたもこのような経験は無いだろうか? そして自分は経験を積んで賢くなったのだろうか? これから正しい人生の選択をできるのだろうか?
人が生きて決断する限り後悔は発生する。後悔は辛い。できれば通り過ぎたい苦い思い出の数々がある。ただし、後悔は人間が伴侶として共にいきてゆかざるを得ない感情のメカニズムなのである。そして、この伴侶、いろいろな問題があるが、扱い方を間違わなければ我々の人生に欠かせない役割を演じてくれる。
この「後悔学」では、誰にでも経験ある「後悔」のメカニズムを近年の様々な発見を通して明らかにしてゆきたいと思う。そして、この気難しい相手とどうやって折り合いをつけ、未来の成功へのジャンプボードに転換する手がかりを見つけてゆければと思う。
例えば、最近の研究で「失敗」の経験が将来の成功の度合いを高めることが明らかになった。
(How self-determined choice facilitates performance: A key role of the ventromedial prefrontal cortex、 "http://cercor.oxfordjournals.org/content/early/2013/12/01/cercor.bht317.abstract" 村山航(レディング大学)松元まどか(玉川大学脳科学研究所)出馬圭世(カリフォルニア工科大学・日本学術振興会)杉浦綾香(東京大学)Richard M. Ryan(ロチェスター大学)Edward L. Deci(ロチェスター大学)松元健二(玉川大学脳科学研究所)研究グループ責任者 )

もしかすると、後悔は成功への鍵なのかもしれない。そして、敵を知るには味方からだ。