新聞を見ていたら、2020年から小学校からプログラミング教育が実施される、とありました。IT業界にいるものとして気になるところです。
一体何をやるのでしょう?小学校だけなのでしょうか?中学校は?高校は?受験には出るの?塾に行かなくてはいけないのでしょうか?


プログラミング教育、親御さんにとって、頭の痛い問題ではないでしょうか?
というのは、算数や英語と違い、プログラミングは両親にとって全く未知の世界であるからです。
「うちには子供用のパソコンなんて無い」
「子供は楽しめるのでしょうか?」「授業の進行について行っているのでしょうか?」
「私達は、子供をどう助けたら良いのでしょう?」
多くの両親は途方にくれていると思います。

一方、文部省の指針についても「プログラミング的思考を身につける」とあるだけです。決してコンピュータを使って小学生に「プログラミング」をさせることではないのです。そもそも日本の学校には生徒全員に行きわたるようなパソコンも、それを教える先生もいません。では何をもって「必須となるプログラミング」なのでしょう?

ここで簡単にまとめたいとおもいます。文部省の発表をまとめると次のようになります
①プログラミング的思考を2020年度から全国小学校で導入する
②プログラミング的思考を身につけることを目的とする
③プログラミング的思考とは、身の回りにあるIT機器を動かしているプログラムというものがどういう仕組みと、動かすための命令の順番を理解するということです。
④この「思考法」は「情報」などの授業を特別に設けるのではなく、各教科の中に反映させて行きます。
⑤学校によってはパソコンなどを使うところもあるでしょう。しかし、「考え方」なので機器を必要としません。

では、実際はどうなのでしょうか?教育専門家や大手塾の情報をまとめてみました。ですので、実現する確率は高いと思います。
私立中学の受験には影響します。まずはプログラムなどの問題が出るということでなく、小学校で学んだことなどを記述する「学びの履歴書」的なところで「プログラム」を学んできたか、などを記載することになると思います。そしてその経験が評定に影響はあると思われます。
すでに学校によっては「情報」などの授業が行われています。なので、ここ3ー4年の内にまずは私立高校などで「情報」の知識を問う問題が出てくる可能性があります。そして、その流れはその後、私立中学校受験にも影響して来ると思われます。
 尚、大学においては来年度の受験から早稲田大学が政治経済学部の入試科目に「数学」を必須とすることが発表されています。ストレートに「プログラム」の技能を問う事はまだありません。しかし、基礎となる「数学」や「統計学」などの基礎知識は受験科目として大学では問われ出しています。

と、ずらずら並べましたが、どうやら次世代は、論理的な思考や、数学など、今の親たちのあまり馴染みのない領域に取り組んでいかなければ行かないようです。つまり両親にとって経験に頼れない。そしてそれが受験を左右してしまう。そんな気がします。

一方、この手の教育の先行指標のアメリカではプログラミングと言うより、ものづくり教育のようです。オバマ時代にSTEM教育が大きく取り上げられ、それに基づいてメーカーブームとなり、学校でもメーカーエデュケーションが広く採用されています。もちろん週によって大きくばらつきはあります。ただ、「プログラム」だけやっているところはなく、似ていても「コンピュータサイエンス」を小さい頃からなじませる教育のようです。

つまり、日本の取組みは、きっかけとしては良いですが、これがパソコン教育とかにすすまず、もっと広い世界につながることを期待したいと思います。
なんか結論のない話になりましたが、ちょっと気になった話題でした。