中でも色んな意味で記憶に残っているのがエリックだ。同じ業界ということもあり、ちょっと興味があって話してみた。
見た目は三十前後のアングロサクソンのにいちゃんだ。マックをいつも弄っている。こざっぱりとしたシャツにジーンズと、頭はよさそうだ。
ところが話しが始まると、とにかく子供っぽい、というか相手の事をあまり聞かない。
当時流行っていた仮想空間がどんなに素晴らしいかをいつでもどこでも、授業の中でも語り続ける。
例えば、製造プロセスの授業の中で教授が「
このトヨタのカイゼンはアメリカ企業で本当に効果的に使われているのだろうか、どう思います?」と問う。 エリックが手を挙げ、指される前に話し出した。
「やはり、仮想空間の可能性とテクノロジーを考えなければいけないですよ。これがわかってないのは致命傷です。なぜなら・・」
教授も最後には呆れ、エリックが発言を求めると
「エリック、仮想空間の話ならだめだ」と釘を指す有様。
「エリック、ちょっとやばいよな」として遠巻きにみんな見ていた。
ところが、シカゴの投資家のフレディは違った。フレディはエリックに声をかけ、プロフェッショナルの目で彼のアイデアを鍛え上げ、立派なビジネスプランを作り上げたのだ。そしてエリックはクラスの卒業時に立派なプレゼンをすることが出来た。クラスメートは感嘆した。「フレディ、大人だ」「さすが成績最優秀者」(実際、卒業式の総代でスピーチしたのはフレディだ)