「マイちゃん、新しい職場の様子はどう?」「まあまあ、でもね、なんかイケてない人、多いよね。なんだかぼんやりしているというか・・」
例えが悪くて申し訳ないが、独身がながければ長いほど、相手の理想像が高くなり、ますます結婚できない、というパターンがある。心理学的には「コンコルド効果」とも言われる。
これは一度建てた計画に縛られてしまい、ゴールに到達するまでに費やした苦労が多ければ多いほど、諦めがつかなくなる現象のことだ。ちょっとむづかしい言い方をすると、目標に集中し、一度立てた計画がアンカーになり基準率を無視する。その結果計画の錯誤に陥る、ということになる。
(何故コンコルドか。これはかつて大西洋を横断していた超音速旅客機コンコルドを指す。素晴らしい技術、天文学的な開発費一九七0年当時で四000億円をもって飛び立った。しかし、超音速で飛ぶための巨大なエンジン、莫大な燃料、少ない乗客キャパシティ一00席、ソニックブームの問題、など飛べば飛ぶほど赤字になっていった。しかし、一度手を付けたらやめられない。なぜならすでにものすごい金額を投資してしまったから。結局、悲劇的な事故で多くの人命と機体が失われるのを待たなければこのプロジェクトを終えることが出来なかった。この例を指してコンコルド効果という)
コンコルド

先程の例に基づくと、独身未婚で恋愛経験が少ない人は「誰でもいいから付き合ってくれる人が欲しい」と思われるが、実は結構逆になる。それは「絶対美人(イケメン)で高学歴、高年収、かつ性格が優しいハイスペックな相手を掴まえてやる」というもの。
例えば、 五年間彼氏がいなかった女性は、五年間の間一人だった、それなりに頑張った、という努力が自分のなかで積み上がり、今更妥協してしまうとこの努力を無駄にしてしまうことになる、と考えてしまう、これに外からの目線などが気になりだすと、いよいよ妥協できなくなる。

ビジネスの世界では、例えば上から降りてきた予算計画などが当てはまるかもしれない。例えば、ありえないような予算数字を実行できないか、と上層部から依頼が来る。いろいろ検討し、各部署で調整を行う。そのうちに数ヶ月経ち、本部の計画はできてしまっている、いまさら変更はできない、というパターンだ。これ、時間が経てば経つ程、泥沼に入って行く(サンクコストが積み上がる)。もちろん、現実的に達成できるような数字でない。でも締めは三日後だ・・じゃあ、とやることは・・・
これの問題点は、勿論成果が出ないこと。あるいは出たように見えてもインチキではだめだ。これではいくら必死になって頑張っても無駄働きになってしまう。さて、どうしたもんだろうか。