「何か質問はあるかね?」ボスがのたもう。
「先ほどのお話ですが、現場の声をもう少し聞いてから判断されては如何なんでしょうか?違った見方があるかもしれません」と自分。
「いいか、オレの言った様にビジネスは組み立っているんだ。正しいことを正しい順番でやるのが仕事というものだ。そんなこともわかっていないようでは、お前、ほかの部署で働きたいのか?」
スキャン 10


会議で仕切る人、いませんか?それがボスだと全く始末が悪い。彼らが言い出したことに反対するなんて以ての外。自分も向こう見ずに意見など出してみたことがありましたが、すごい勢いで反論されてびっくりです。周りを見ると「こいつ、バカじゃねーのか、空気読めよ」と同僚の顔に書いてあった。
そう、あのボスは前任の某知事のような方だったのです。 あるいは、最近は減ったかもしれませんが、若い社員に酒の席などにつれてゆき「なんでも思ったことを言ってくれ」と年上のマネージャなどがいうケースだ。(これは自分の経験なので誤解ないように)
酒のせいで思考回路がマヒしてきて、この言葉を額面通りに受け取った新入社員自分)は、「では、課長、毎日残業ばかりしているのは効率がわるいのではないのでしょうか?」
「根性セールスは時代錯誤です。もっと頭を使ってやりましょう」と口走ってしまう。そしたら最後、上司の説教を浴びることになる。そうでなくても酒の席は一気に冷え込み、翌日から自分にどうも冷たいなあ、なんて気配を感じるようになる。
こういう場合は
「課長の下について自分はラッキーです」
「部長のあのセリフ、さすがと思います」
という歌舞伎みたいな決まりきったシナリオを演じ切るしかないのだ。
もう一つ。同僚やあなたの仕事のカウンターパートナーでもこのようなケースは見られる。仕事を頼んでも、意図を理解しようとせず、常に自分の見方とやり方に固執してしまうタイプである。非常にやりづらく、結果も出にくい、結局、自分でやればよかった、などとなることが多い。
この人たちのように、自分の知っている事を強調し、知らない事を無視する、過剰な場合は精神分析でいう「自己愛パーソナリティ障害」のことだ。その結果、一層自分の意見に自信過剰になり易い。懐疑的見方に正当性を与えることがむづかしくなる。
また、 (アメリカ精神医学会がまとめた精神障害の診断と統計マニュアル)の定義にあるように、この障害を持っている者は、その事実を自分は気づいていない。まさに裸の王様である。 この態度の問題点は、あなたにとって成功するか失敗するかが他人の手に委ねられしまっていること。あなたの頑張りが最初から無駄足になってしまう場合があるのだ。