「あれは、プレモータム・イメージェリ ツール、と言う手法なのよ。想定外をなくすために知恵を集めなければいけないでしょう?そのために、参加者が連想しやすいように、ああ言う関連図を作ってゆく手法だわ」暗田主任が続ける
「へえ、だからあんなにアイデアが出たんですね。じゃあ、対策を考えた時に主任が書いたツリー図も何かの手法なんですか?」と僕
「そうよ、あれは、プレモータム・ノードマップと言うツールなの。対策をただ議論したって何もならないわ。それぞれが、どう言う効果があって、うまくいかない場合はどうすれば良いか、と言う道筋を明らかにするやり方よ。あれがあれば、どう言うアクションを取れば、どこに結果が落ちるか把握しやすいでしょう?」暗田主任が説明した。
「確かにそうですね。だから、浦霧課長がシステムの肩を持っていても逆転できました。なんと言うか、そう、ツボを押さえてる感じでした」
「いいじゃない、新海くん。分かってきたようね。対策の難しいところは聞いてるかそうでないか、その時点ではわかりにくいところなの。だから、ああ言うチャートがあるとちょうど地図みたいに自分の場所がわかるのよ。そして、万が一、うまくいかなくても次の手を的確に打つことができるのよ」暗田主任はちょっと誇らしげに声のトーンをあげた。