ところで、プレモータム分析は本来、医学の領域で使われる用語であるが、現在では、さらに、主に失敗が許されない部門、米軍や医学会で活用されている。 例えば、US ARMYには将校を教育、またはリーダーシップなどを研究するCAC (Combined Armed Center)という機関がある。その中のUFMCS (University of Foreign Militaly and Culture Studies)が通称『Red Team Hand Book』というものをまとめている。これはクリティカルシンキングやデシジョン・メーキングなど、軍隊で使われる重要な思考法を一冊にまとめ、将校のトレーニングなどに活用される本である。その中で「プレモータム分析」は重要な考え方として独立した項目を割かれているのだ。 また、プレモータム分析を提唱したゲーリークライン自身も米空軍にて1974年から78年まで調査を行っており、その結果は「Source of Power」(日本語訳決断の法則-人はどのようにして意思決定するのか?)にて明らかにしている。 この報告では、空軍のみならず、特に消防隊員、集中治療室の看護婦、など失敗が許されない職業を調査対象とし、困難かつ非日常的な状況に立ち向かう際の意思決定のメカニズムの解明に務めた。 医療現場では米国ジョンズ・ホプキンズ大学がプレモータム分析を院内の機能向上のためのプログラム(The Comprehensive Unit-based Safety Program )というものの中で活用している。ここでは、医療そのものを超え、病院全体の改善のためにゲーリークラインの方法論をそのまま応用しているのだ。