ロシアワールドカップに向けたガーナ戦のメンバーが発表された。西野監督は、このメンバーから代表選考を行うという。( https://news.yahoo.co.jp/pickup/6282994 )

そして中島翔哉は選出されなかった。ビッグサプライズだ。

西野監督は、多くのバイアスにとらわれているように見える。この「バイアス」とは行動経済学のいうバイアスだ。

例えば「コンコルド効果」 過去の積み重ねを捨てられない。ハリルホジッチ時代もそうだが、ザッケローニによる選考を引きずっている。だから本田、香川、そして岡崎、などが復活した。今までの積み上げ(投資)を捨てることができない。

例えば、「同調バイアス」 ビッグネームや選考されたことのある選手を選び、中島、森岡、久保のような新参者が割を食う。

例えば「オプション先行性」 中島が選ばれなかった理由が「
ポリバレント」だ。戦術を決めることを酒、最後まで選択肢を持っておきたい、だからなんでもできる選手を選んでしまう。

そして「自己中心性バイアス」 日本代表は強いはずだ、だからハリルのサッカーを基本に修正するだけで勝てる、と思ってしまう。だが、対戦国はもっと長い期間一貫した方針で鍛え上げられてきている。本番まで一ヶ月を切った状況では、ライバルを知り、対等に戦える状態のプレーヤーから選考するしかない。しかし、選考した選手を見るとこの事実から目をそむけているようにみえる。

最後は「計画の錯誤」 やっと選考を行い、合宿、国際マッチ。だがどのような方向で進むのか、少ない時間をどう使うのか、あまりに楽観的なスケジュールに見える。

では、この「プレモータム・シンキング」ではどう考えるのか

「日本代表が最悪の予選敗退をした」 と仮定する。初戦も第二戦も大差で敗北。その時点で予選敗退がほぼ確定する。そして気落ちした最終戦。結果は自ずと知れる。

どうしてこういうことが起きるのかのシナリオを「なぜ」を繰り返し考えてみる。

初戦のコロンビア。実は彼らも予選が不安だ。だから、「カモ」の日本から大量の特典を取っておこうと考える。そして最初からギアをいれて来る。もちろんスカウティングも十分。慎重にゲームに入ろうとした日本は呑まれてしまう。

何故、気後れするのか?
信じる方向性がなかった。準備期間も短い。そして、初戦は慎重に入るべきである、という常識にとらわれている。そして、それを打ち破るだけの情報やスカウティングの積み上げは、監督交代でパージされていたからだ。

ディフェンス陣も強靭でもない。抜かれたときの振り向くスピードにも欠ける。カバーも遅かった。

どうしてか?
そしてチーム方針が最後まで決まらなかった為、約束事の浸透とコンビネーションが固まりきれなかったからだ。そして、日本人のチーム力は相手に負けていない、と誤解していた。

得点の匂いもなかった。カウンターしか手はないが、ことごとく強力な敵ディフェンスに潰された。

理由は、手段が一つなら防ぐのは容易であるからだ。そして日本人はロッペンでない。スピードも強さもない。可能性があるとすればアジリティだが、中島を捨てた時点でこれも消滅した。

以上のように考えると、取れる手段は見えてくる。未来の敗因をカテゴライズすると
①「方針が決まっていない」
②「強豪は先を行っている」(だけど自分たちは気がついていない・・・)ことだ。

するとまずやることは、スタイルと戦術を明らかにし、個別のイメージトレーニングなどで時間を買う方法を考える。

自己中心バイアス(ライバルはすでに先を行っている)に対抗するためには弱者の戦術をハッキリ採用する。

ここまで書いて、「これって南アフリカの岡ちゃんチーム戦術に近い?」と思わないだろうか?たまたまかも知れないが、だから南アフリカでは予選リーグを勝ち抜けたのかもしれない。

西野監督は、バイアスを克服できるのだろうか?

二ヶ月後には結果が分かる。

(プレモータム・シンキングの本が出ました。こちらをどうぞ)